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第三回 21世紀統合医療フォーラム

「からだの声をきく」−バイオフィードバック

神原憲治 関西医科大学心療内科学講座



 ワークショップスケジュール 
日時  5日 午後3時30分ー午後午後5時30分 
会場  普通教室          。 
定員  15名          
内容  バイオフィードバックの実践 。

<バイオフィードバックとは>

こちらを参照ください。

http://bodythinking.net/biofeed.htm

 

<アレキシサイミア、アレキシソミアとバイオフィードバック>

心身症や機能的な身体疾患では、自分の感情やからだの感覚に気づきにくくなったりすることが、病態に関わっていると言われています。

アレキシサイミア(Alexithymia; 失感情症)は感情の気づきや表現が困難で、内面への気づきに乏しい状態です。

アレキシソミア(Alexisomia; 失体感症)は身体感覚の気づきが低下した状態です。

アレキシサイミアは従来から心身症の重要な病態の一つとされてきましたが、心身医学の草分けである故池見ら(1986)は「アレキシサイミアのケースでは感情だけでなく、身体感覚の気づきも低下していることが多い」と述べ、その状態をアレキシソミアと呼びました。

 

現代社会における生活の中では、ストレス、アンバランスな生活、過度の適応、行動の歪みなどから、さまざまな乖離やバランスの崩れが起こってきます。例えば、感情と知性のコミュニケーションがうまくいかない、身体と知性のバランスが悪くなる、などです。

このような状態では、自分のからだの感覚や感情に気づいていくプロセスや、その意味を知ることが重要です。無視していた、あるいは、聞かないようにしていた「からだの声」や「心の声」に耳を傾け、心や身体とのコミュニケーションを回復するプロセスが重要です。

バイオフィードバックでは、普段は気づかない、刻々と変化するからだの状態をとらえてフィードバックします。そしてそのときの身体感覚に注意を向け、その主観的感覚とフィードバックされる客観的情報を合わせながら、心身の調整を目指します。コントロールを試みるプロセスの中で、フィードバックされたからだの状態と、自分で感じるからだの感覚との間の乖離に気づき、「からだとの対話」が深まります。

バイオフィードバックによって身体感覚の気づきが深まると、自己の感情にも気づきやすくなり、アレキシサイミアやアレキシソミアの状態が改善されると考えられます。気づきが高まるプロセスの中で、感情・情動・知性・身体の間のコミュニケーションが改善され、機能的な乖離が回復していくと考えられます。

 

<新しいバイオフィードバックのかたち:Body Awareness Biofeedback

従来のバイオフィードバックは、身体の状態をより適切な状態にコントロールすることに重点がおかれていました。このようなバイオフィードバックが有用なケースも多々あります。しかし、バイオフィードバックの本当の有用性は、身体を思うようにコントロールすることだけではありません。

バイオフィードバックは、からだとの対話をする手段として、すなわち、「からだの声を聞く」手段として有用であり、後述する、「一人称のからだ」と「三人称のからだ」をつなぐものとしての役割があります。すなわち、コントロールできるかどうかよりも、コントロールを試みるプロセスにおいて、どうからだと対話し、からだの声を聞くかに重点をおきます。

 

<一人称のからだと三人称のからだをつなぐもの>

バイオフィードバックは「一人称のからだ」と「三人称のからだ」をつなぐものです。

例えば、自分では緊張を感じているが(一人称のからだ)、客観的な指標ではそうでもない(三人称のからだ)、といった主観的感覚と客観的指標の乖離に気づくと、ここから身体的・心理的なさまざまな気づきへとつながっていきます。

バイオフィードバックは他にもいろいろなものをつなぎます。「主観」と「客観」、「思考」と「感覚」、「心」と「身体」、「言語」と「非言語」などです。また、バイオフィードバックはさまざまなボディワークなどのアプローチと医療をつなぐ「言葉」としての役割も担っているかもしれません。

 

<今回のワークショップ>

今回は以下の内容を予定しています。

・バイオフィードバックの概説

・バイオフィードバックにより身体感覚の気づきが高まり、ソマグラムに興味深い変化がみられたケースの紹介

・バイオフィードバックの実践

バイオフィードバックはいろいろな手法との併用が可能なので、自分の方法を持たれている方がバイオフィードバックを学ばれることにより、客観的指標な変化を提示でき、医療の現場での適応がよりしやすくなります。実際に体験して頂いた上で、どのように応用するかを自ら見出して頂けたらと思います。

バイオフィードバックは患者さんだけでなく、セラピストのリソースをも引き出してくれることでしょう。

 

 

<参考文献・ホームページ>

【ホームページ】

MIND-BODY THINKING. COMこころ・と・からだ・の対話
http://body-thinking.com/

 

【参考文献】

1) 神原憲治, 竹林直紀 「バイオフィードバック」 統合医療−基礎と臨床 Revised Edition 2007 Part 2.日本統合医療学会編 182-188 (2007)

2) 神原憲治ほか 「心理療法」 治療増刊号 89, 1425-1432 (2007)

3) 神原憲治ほか 「心身症患者における Psychophysiological Stress Responseの特徴」 心身医学  45, 685-695 (2005)

4) Kanbara, K. et al.: An exploratory study of subgrouping of patients with functional somatic syndrome based on the psychophysiological stress response: its relationship with moods and subjective variables. Psychosomatic Medicine, 69, 158-65 (2007)

5) Kanbara, K. et al.: Paradoxical results of psychophysiological stress profile in functional somatic syndrome: correlation between subjective tension score and objective stress response. Applied Psychophysiology and Biofeedback, 29(4), 255-268 (2004)

 

 

<講師略歴・連絡先>

神原 憲治(かんばらけんじ)

心療内科医、医学博士

関西医科大学心療内科学講座 医長

京都ノートルダム女子大学大学院心理学研究科 客員准教授

日本心身医学会専門医・代議員・専門医制度委員会委員、日本医師会認定産業医

 

大阪大学工学部を卒業後、岐阜大学医学部を卒業し、内科を経て関西医科大学心療内科学講座に入局。’00年より同大学附属滝井病院にて行動医学外来を開設。’03年より医療法人まちだクリニックにて非常勤医師
’06
年より関西医科大学非常勤講師の傍ら、「こころとからだの対話」をコンセプトにした施設、リラクセーションスペース 蓮を主宰。
’09
年度より関西医科大学附属滝井病院 心療内科病棟医長、心療内科学講座研究室長。


570-8507 守口市文園町10-15

関西医科大学心療内科学講座
E-mail: kanbarabf@gmail.com
Web:
http://body-thinking.com/
Tel 06-6992-1001



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