第二回 21世紀統合医療フォーラム
「アロマテラピーとドリーミング」 岸原千雅子(アルケミア)
ワークショップスケジュール
| 日時 |
10月18日 午後1時〜午後3時 |
| 会場 |
T2 。 |
| 定員 |
15名 。 |
| 内容 |
アロマテラピー、ドリーミング |
| 備考 |
|
★ワークの概要
わが国で普及しているアロマテラピーは、主にイギリスで発展したマッサージを中心に提供される手法が主流となっています。このアロマテラピー・マッサージの体験には、以下のような3つの背景から、深い意識状態(変性意識状態)の体験へと誘われやすい特徴があります。
@ 「精油」の香りが意識状態を深みへと誘う
A 柔らかなタッチのマッサージによりからだとこころの「境界」が揺れる
B セラピスト‐クライエント関係による「共に夢を見る(dreaming together)」体験
このワークショップは、こうしたアロマテラピーのホリスティックな体験を深く理解し、実際に経験していただくことを目的としています。
プロセス指向心理学の創始者、アーノルド・ミンデルは、オーストラリア先住民族アボリジニの概念を汎用し、深い意識次元の体験を「ドリーミング」という言葉で表わしました。それは「からだ」と「こころ」といった二元が分かれる以前、イスラム神秘主義で「有無中道の実在」と呼ばれる次元の体験です。この「ドリーミング」の体験を、実際に「香り」や「タッチング」の体験に参入することで、深く味わい、実感していただくことを意図しています。
■植物の「からだ」「まるごと」が作り出す精油
アロマテラピーとは、植物が自ら作り出す「精油」を、私たちの心と体の健康に役立てる療法です。「精油」というこの香り立つ自然の贈り物は、もともと大地に根をはり、動くことのできない植物が、自らの傷を癒し、細胞を再生させ、敵を撃退し、味方を呼び寄せることで健康と種の存続を保つために生み出した、天然の薬効成分、芳香揮発成分です。
植物たちは、根から吸い上げた「水」と、空気中から吸い込んだ「二酸化炭素」という単純な原材料をもとに、数百種ともいわれる芳香揮発成分を生成します。それはまさに、植物が自らの体内で行う、錬金術とも思われる営みです。
精油は、100%天然のまま使用し、植物のまるごとの恩恵をいただくのが、アロマテラピーの大原則。当日は、精油の香りの体験が、意識状態にどのように影響し、拡張するかについて、楽しみながら深めていきたいと考えます。
■プロセス指向心理学の「からだ」「意識」体験
プロセス指向心理学(プロセスワーク)には、さまざまな臨床的な発展がありますが、そのうちのひとつが、昏睡状態の人とコミュニケートする「コーマワーク」です。この技法は、昏睡状態だけでなく、言葉によるコミュニケートが難しい状況(たとえば認知症、知的障害、発達障害、うつ状態、パニック状態など)において、その内的な体験に寄り添い、呼応するツールとして有効な場合があります。
その技法を応用し、相手の呼吸のリズムに合わせ、そっと手を添える、など簡単なタッチの体験を通じて、タッチングと深い意識状態の関係について理解を深めたいと考えます。
■おわりに
アロマテラピーを実践し始めた当初より、この香りを使ったマッサージ体験の独自性や、そのホリスティックな体験の背景について、自分なりに臨床を通じて思索し続けてきました。「香り」の体験という独自性はあるものの、このワークショップで私が分かち合いたいと願っていることは、おそらく他のどの心身相関的なボディワークの実践家の方々にとっても、共有されるものではないかと考えます。
〈参考図書〉
『24時間の明晰夢』アーノルド・ミンデル著、藤見幸雄・青木聡訳、春秋社
『イスラーム哲学の原像』井筒俊彦著、岩波新書
『ホリスティック医療のすすめ』岸原千雅子著、日本実業出版社
講師略歴: 岸原千雅子
臨床心理士、IFA(国際アロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト。NPO法人日本ホリスティック医学協会事務局長。東京・港区に「アルケミア」を開設し、心理療法とアロマテラピー・マッサージを行う。その他心療内科クリニック、およびがん患者サービス・ステーションvol-nextで、カウンセリングおよびアロマテラピーを提供している。
連絡先:アルケミア http://www.alchemia.in
著書『ホリスティック医療のすすめ』(日本実業出版社)『ホリスティック医学』(東京堂出版、共著)
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