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21世紀統合医療フォーラム
「医療におけるヨーガの可能性を探る」  山本和美(関西医科大学)

 ワークショップスケジュール 
日時  10月21日 10時〜 
会場  T2
定員  15名       
内容  


★ワークの概要
≪はじめに≫ 
 ヨーガは、全人的なアプローチによる完全なる健康法です。対症療法的な治療法ではなく健康法であり、病気を
遠ざけるという消極的なものではなく、精神的・肉体的・社会的な面で意欲的に行動する精気を充実させるものです。
ヨーガは、心と身体を大きな視点からとらえて真の健康を求め、体全体のバランスを取り戻し、身体本来の自然治癒
力を高め、最終的には心の幸福を得ることができます。

 故・佐保田鶴治博士(大阪大学名誉教授・インド哲学)は、日本に正統なヨーガを紹介し普及に尽くされました。
佐保田先生ご自身は、幼少より病弱であらゆる健康法を試されたものの芳しくなく、62歳で初めてヨーガに出会って
からは健康を回復され、その後四度の渡印で各地のアシュラムを歴訪、サンスクリット語のヨーガ聖典の日本語訳、
そして数々の著書を執筆され、88歳で大往生を遂げられました。「肉体だけを考えてカラダを直そうとすると、ココロの
悪条件によって妨害されるし、ココロの改造だけでカラダの病気を直そうとすると、通常の人間の意識のはたらきには、
神経を通じて、肉体に届くほどの力はない。少なくとも通常人の場合は、ココロとカラダの両面から改めてゆかないと、
ココロのやまいも、からだのやまいも、容易に退治することはできないのである」と言われています。

≪ヨーガとは≫
 ヨーガの歴史は古く、紀元前6〜7世紀までさかのぼります。ヨーガという言葉は、もともと瞑想を中とした「行法」を
表し、後に「禅」(dhyana,瞑想)の同義語として用いられるようになりました。ヨーガは語源的には“馬を車につなぐ”
という意味を持ち、外界からの刺激に絶えずひかれがちな感覚器官を抑制する心理操作を表現するテクニックを
意味するようになりました。紀元10世紀過ぎ、瞑想の修行に励む道士たちが次々と病気にかかり倒れたため、その
健康回復と健康確保を目的に身体の修練を中心とする行法として「ハタ・ヨーガ」という流派が生まれました。
このハタ・ヨーガを修練していくうちに、身体の健康だけでなく、心にも変化が現れ、瞑想の修練にも大きな効果を
発揮することがわかりました。

   ヨーガは体操(調身)、呼吸法(調息)、瞑想(調心)の三部門から成り立ち、三位一体的に溶け合って、肉体、神経、
精神の調和を図るものです。瞑想はヨーガの究極的な目的である心の平静を実現します。しかし、身体を整えることなく
呼吸法や瞑想は、普通の人には難しく時に危険にさえなることがあります。しかしヨーガの体操には呼吸法と瞑想法が
ふくまれていますので、体操を続けることで呼吸法と瞑想法の準備が整ってきます。そのためヨーガの体操は動く
瞑想ともいえます。

≪ヨーガ体操の特長≫
 ヨーガの体操をする上で、一番大事な原則が4つあります。
  1)動作はできる限りゆるやかに行う。
  2)動作は呼吸と一致して行う。
  3)意識を身体の一部もしくは全体に向ける
  4)緊張と弛緩を繰り返し行う。



≪身心への影響≫
 ホルモン研究を長年ご専門にされてきた大貫稔博士(筑波大学名誉教授)は、ヨーガの身体への影響について
世界で初めて医学的裏づけ研究をされました。10年間にわたり、50歳代のヨーガ・グループのホルモンや各種血液
生化学成分への影響や自律神経系、循環器系、呼吸器系などの生理機能の反応について研究されました。その結果、
副腎皮質ホルモンはヨーガを行った後、大幅に下がり、それに連動して白血球の減少が見られ、ストレスが緩和されて
精神的に安定し、リラックスした状態になることが認められました。また、ヨーガ体操の運動強度は、西洋的な運動に
比べて弱いにも関わらず、善玉コレステロールの増加や中性脂肪の低下が認められました。このようにヨーガはかなり
弱い運動にも関わらず、精神面および身体面への効果が高いことが明らかにされました。現在、若い女性の間で美容や
リラックス効果を求めてヨーガがブームになっています。若い人はもちろんですが、身体的な負荷が少なく心身への効果
の高いヨーガは、むしろ中高年齢者や身体の弱い人に適していると言えます。

   故・池見酉次郎博士(九州大学名誉教授)は、わが国で心身一如の心身医学を確立されましたが、従来の身体
医学に心理療法を併用することに重点をおく西洋流の心身医学の限界に気づかれ、調身、調息を核にした東洋の
身体文化を統合することの重要性に注目されました。「こころのコントロールは身体のコントロールから入るのが
一番よい」と考え、ヨーガを神経症や心身症的な患者に行い、しばしば効果的な結果を得られています。
また、心身医学療法の代表的な治療法の一つである自律訓練法は、ドイツの精神科医、シュルツ J.H.がヨーガや
坐禅に影響を受けて開発したものであり、またH・ベンソン H.はヨーガの瞑想について心理生理的な研究から弛緩
技法を編み出しています。

≪ヨーガのすすめ≫
   ヨーガは様々なポーズが難しい印象を与え、自分は体が硬いのでできないと思い込んでいる人が多いと思います。
ヨーガの目的はポーズの上手・下手ではなく、可能な範囲で最善を尽くしていれば、かえって下手な人の方が効果が
あるといわれているくらいです。人の助けを借りることなく、自分の心身の状態を感じ、個人のペースで普段の動きより
少しストレッチする感じで行うもので、決して無理をしたり、人と競争したりするものではありません。そうすることで心身の
バランスを取り戻し、爽快感を得ることができます。先ずは、日々臨床に携わる医療関係者の皆様に身をもって体験して
いただきたいと思います。

<講師略歴>
山本和美: 関西大学大学院社会学部博士課程前期修了。臨床心理士。関西医科大学心療内科及び学生相談勤務。   1998年より佐保田鶴治氏に師事した中川愛子氏よりヨーガ指導を受け、日本ヨーガ禅道院教師。
  連絡先:yamamotk@takii.kmu.ac.jp 中川愛子:Tel&Fax. 06(6872)2175

松岡善雄: 仏眼鍼灸理療学校卒。鍼灸マッサージ師 広田医院リハビリテーション科勤務。
  1974年より佐保田鶴治氏にヨーガを師事。日本ヨーガ禅道院・教導として運営、指導に従事。
連絡先:日本ヨーガ禅道院 http://www.yoga-zen.org/ Tel.075(621)3831


<参考文献>
佐保田鶴治著 2001『ヨーガ入門』ベースボール・マガジン社
大貫博・堀之内博子著 2005『毎日できる新ヨーガ健康術 生活習慣病予防健康増進ドリル』学研
池見酉次郎著 1995『ヘルス・アート入門』創元社

<佐保田鶴治氏の主な著書>
平河出版社:『ヨーガ根本経典』1973『ヨーガの宗教理念』1976『続ヨーガ根本経典』1978『ウパニシャッド』1979 
人文書院:『般若心経の真実』1982『ヨーガ禅道話』1982『続ヨーガ禅道話』1983『八十八歳を生きる』1986 
ベースボール・マガジン社:『ヨーガ入門』2001『ヨーガのすすめ』2002



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