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21世紀統合医療フォーラム
「プロセス指向心理学」  富士見幸雄(富士見心理面接室)

 ワークショップスケジュール 
日時  10月20日 14時〜 
会場  T2         。 
定員  15名       
内容  
備考 このワークへの参加は、医療関係者の方が優先となります。
当日、人員に余裕がある場合のみ、医療関係者以外の方もご参加いただけます。


★ワークの概要
【プロセス指向心理学とは】
プロセス指向心理学(ないしプロセスワーク)は、1970年代、当時ユング派の分析家であったアーノルド・ミンデル
によって創始された身体指向心理学です。ミンデルは、クライエントの身体症状の体験の中に、夢に見出されるのと
同じメッセージがあることを発見し、夢(ドリーム)と身体(ボディ)の共時関係に働きかけることからドリーム・ボディ
ワークを始めました。

すぐ後に、夢と身体を統治するドリーム・ボディが、対人関係の背景にも同時に布置されることに気づき、個人療法
だけでなく、カップル・セラピー、夫婦療法を身体指向的に行うようになりました。また同じく、個人療法におけるセラピ
ストークライエント関係、特に転移・逆転移、「間身体」を見通すパースペクティブとしても役立てるようになりました。
関係性の背景あるいは深層にドリーム・ボディまたは夢のプロセスを読む視座は、さらに、家族療法、グループ療法、
コミュニティ心理学、さらには政治の分野にまで役立てられていきました。

今日、プロセス指向心理学は、一般の心理療法、アートセラピー、プレイセラピー、精神医学が対象とする領域に加えて、
特にコーマ(植物・昏睡)状態、臨死状態、意識の極限状態(統合失調症、双極性障害、非日常意識状態、意識の変容
状態)、ドリームワーク、ボディワーク、アディクション、スーパービジョン、歴史的・政治的諸テーマと取り組むワールド
ワークといった広い範囲に臨床的関心を抱いています。

さらに、プロセス指向心理学の参照枠には、古今東西の霊的諸伝統(老荘思想、小乗・大乗・チベット仏教、シャーマニ
ズム、その他)と量子物理学(ミンデルはかつてMITで物理学を研究していましたが、現在も科学への関心は強く、科学
者の友人も多い)の影響が色濃く反映されています。

プロセス指向心理学は、ユング心理学、量子物理学、シャーマニズム、道教などの影響を受け、「起こっていることには
意味と目的がある」と考えます。症状や事故、人間関係のトラブルなどの「問題」を、私達のふだんの意識状態(一次プロ
セス )が不都合で否認したい自分の一部(二次プロセス)と葛藤を起こした状態と捉え、より大きな存在からの大切な
メッセージとして扱います。そのため、「問題の中に答えがある」をポリシーとします。

プロセス指向心理学は、心理療法としての特色をもち、問題や葛藤がある際の解決法として有効ですが、気づき(アエア
ネス)を何よりも重視するという生き方の提示でもあり、大きな存在に従っていこうとする点でスピリチュアリティの実践
でもあります。


【プロセス指向心理学の用語】
「プロセス」:
広義には老荘思想の「道(タオ)」に相当します。すなわち、「私を含み、かつ私を超えている大いなる生命の流れ」という視点を想定し、そこから 「私」を捉え直していこうとする考え方です。対して狭義の「プロセス」とは「今起こっていることの体験の仕方の変化(流れ)」のことを指します。「プロセス指向」とは「今起こっていることには意味がある」というユング心理学の目的論的な考え方が基にあります。すなわち「身体症状や人間関係など問題を作るものこそが癒すもの」であり、「すべては全体性を回復するためのサインである」と考えます。プロセス指向心理学では、シグナルの観察に基づいたプロセス構造(一次プロセス、二次プロセス、エッジ、チャンネルについての把握)に基づいて介入方法を決めます。

「一次プロセス」:
精神分析でいうところの「自我」、ユングの「1パーソナリティ」に相当し、「私が相対的に同一化しているプロセス」を意味します。

「二次プロセス」:
前述の「ドリーム・ボディ」の別名であり、ユングの「2パーソナリティ」に相当します。「私が相対的に同一化していないプロセス」を意味します。病気や事故など自分の意図していないのに起こってくること、自分にできる/そうなるなどと思っていないことです。

「エッジ」:
一次プロセスと二次プロセスの境界のことです。エッジは一次プロセスにとっては従来の世界観、生き方を見方を守り、保護するものであり、反対に二次プロセスにとっては保守的なもの、妨害者、壁のようなものです。長期間続くエッジが心身相関的問題に関わってきます。

「チャンネル」:
プロセスがシグナル(情報)として現われる時、どのような形になっているかの分類です。「視覚」、 「聴覚」、「身体感覚」、「動作」の四つの基本チャンネルと「人間関係」、「世界」チャンネルの2つの複合チャンネルがあります。視覚・聴覚チャンネルは一次プロセスに、動作、身体感覚、関係性、世界チャンネルは二次プロセスに使われていることが多いです。効果的な介入のためには、そのシグナルがどのチャンネルに現われているかが重要で、二次プロセスのシグナルが出ているチャンネルに合った介入をすると自然にプロセスが進みます。

「深層民主主義」:
プロセス指向心理学では一次プロセスだけではなく、布置されている二次プロセスを自覚し、立脚点を移動させ(視点ずらし)、そちらからも世界を体験することを大切にします。これは「深層民主主義」と呼ばれています

「意識状態の三つの次元」:
1)合意的現実
通常の注意力によって自分と他者、物、思考などを観察し、その結果は他者と共有できる領域。「時間」と「空間」に基づいて描写できます。 多数派が支配して少数派を排除する権力構造がみられます。ユング心理学でいう「意識」に相当します。

2)ドリームランド
ドリームボディが存在する夢の領域。覚醒時と睡眠時における夢、空想、人物、物などが認識されます。その体験は言葉で説明が容易であり、対立する「極」の交流が可能となるレベル。ユング心理学でいう「個人的無意識」に相当します。

3)エッセンスの領域
ドリーミング、すなわち意味のあるイメージ、音、感覚としてまだ表現されていない普段は無視されるような前言語的な微細な(センシェントな)感覚や雰囲気が認識されます。 非二元的で分割できない非局在的な量子のレベル。ユング心理学でいう「集合的無意識」に相当します。


【プロセス指向心理学参考文献】
アーノルド・ミンデル:「ドリーム・ボディワーク」 高岡よし子、伊藤雄二郎訳 藤見幸雄解説 春秋社 1994
アーノルド・ミンデル:「プロセス指向心理学」 小川捷之監訳 高岡よし子、伊藤雄二郎訳 藤見幸雄解説 春秋社 1996
藤見幸雄:「痛みと身体の心理学」.新潮社,1999
アーノルド・ミンデル:「シャーマンズボディー心身の健康・人間関係・コミュニティを変容させる新しいシャーマニズム」青木 聡訳、藤見幸雄監訳・解説.コスモス・ライブラリー社,2001
藤見幸雄・諸富祥彦編著:「プロセス指向心理学入門」.春秋社,2001
アーノルド・ミンデル:「24時間の明晰夢−夢見と覚醒の心理」 藤見幸雄・青木聡訳 春秋社,2001
アーノルド・ミンデル:「ドリームボディーセルフを明らかにする身体」藤見幸雄監訳 誠信書房,2002
アーノルド・ミンデル:「身体症状に<宇宙の声>を聴く」藤見幸雄、青木 聡訳.日本教文社,2006
藤見幸雄:「連続講座プロセスワーク」.「臨床心理」に隔月で連載中


<講師略歴>
ニューヨーク州立大学人類学部卒。トランスパーソナル心理学研究所修士課程修了。
認定プロセスワーカー。臨床心理士。東京港区赤坂に、個人心理面接室を開設(FAX03−5570−2860)。
大阪大学、京都文教大学、千葉大学、北海道教育大学、放送大学などで講師を務める。
著書に『痛みと身体の心理学』(新潮社)、『POP、プロセス指向心理学入門』(春秋社)、訳書に『身体症状に宇宙の
声を聴く』A.ミンデル著 その他多数。


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