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21世紀統合医療フォーラム
「ホリスティックアロマセラピー」  相原由花(ホリスティックケア総合学院)

 ワークショップスケジュール 
日時  10月20日 16時〜 
会場  T3         。 
定員  10名       
内容  香りの体験、臨床での活動報告、ハンドマッサージ


★アプローチの概要
アロマセラピーとは
日本には15年ほど前に英国からアロマセラピーという言葉が入ってきましたが、第1のブームは
英国で学んだセラピストたちによる活動が、新しいものへの興味として雑誌に取り上げられていた
時期が相当します。その後、美容と健康を目的としたアロマセラピーへの関心の高まりが第2の
ブームとして認められましたが、ここでは他人に施すためでなく、主に自分や周りの人のための
家庭で行うアロマセラピーが中心でした。そして、最近の第3のブームでは、本来の療法としての
アロマセラピーが注目を浴びるようになり、癌を含む慢性疾患や高齢者ケア、精神科、産婦人科、
皮膚科、ICUなどでの基礎的または臨床的な研究が行われています。

アロマセラピー(芳香療法)いう概念が誕生したのは70年ほど前ですが、近代西洋医学の父である
ヒポクラテスが治療法として薬草を使って「薫香」「入浴」「湿布」「マッサージ」を行っていたり、
また、19世紀に活躍したナイチンゲールは、傷ついた兵士の鎮静、鎮痛を目的にラベンダーの精油を
眉毛に塗っていたという記録もあることから、歴史上も植物は人の健康や病気に深く関わり、世界中の
人々から信頼される薬として用いられていたのです。急性期疾患を主に対象として発達してきた
近代西洋医学は、生活習慣病やストレス関連疾患の増加に対してはまだまだ効果的な治療法を持ち
合わせていません。これらの慢性疾患の治療法は、患者自身が考え方や生活習慣を変えることで
本来持っている自己治癒力を高めることが中心となることから、自然の英知としてのアロセラピーが
再び注目され始めたことは不思議な話ではないのかもしれません。

1. 精油(エッセンシャルオイル)
アロマセラピーでは植物の花、茎、葉、根、実、種子、果皮、樹脂、木幹などから抽出される様々な香りと
薬理成分を持った「芳香を持つ揮発性の有機化合物」を使用します。これらの液体を「精油」(またはエッセ
ンシャルオイル)といい、空中蒸散、吸入、沐浴、塗布、マッサージなどで鼻腔や皮膚から吸収させて用います。
精油は、それぞれフローラル、フルーティ、フレッシュ、グリーン、スパイシーなど独自の香りを持ち、揮発性・
引火性・親油性などの特徴があり、熱・光・酸素に弱いため、遮光瓶で保存され、冷暗室で保管する必要が
あります。安全に使用できる期間は半年〜1年間です。


2. 香りの心理的効果
精油の芳香分子は上皮嗅細胞の受容体で電気信号となり、視床下部、下垂体、大脳皮質へと伝わり、
自律神経や内分泌、睡眠、呼吸の働きに影響を与えていきます。また大脳辺縁系の扁桃核で香りの
快・不快が決定され、気分や情操、興味といった感情状態に変化を及ぼします。このことにより、
脳内神経物質であるドーパミン・セロトニン・アドレナリン・アセチルコリン・エンドルフィンなどが分泌される
ことが確認され、香りと神経伝達物質の関係も解明されつつあります。

脳波解析により、ラベンダーの香りは後頭部のα波を増加させリラクセーション効果があることが
示され、レモンでは視覚認知機能を高め集中力を向上させる効果があると報告されています。
一般的に柑橘系の香りは気持ちを持ちあげる効果があると言われ、抑うつ気分の改善が期待されます。
しかし香りの心理的効果には嗜好が関係するとも言われていて、記憶と香りが結びつく『プルースト
効果』などからも、個別性を考慮することが重要となります。好む香りは、交感神経活動を抑制し
副交感神経優位状態にし痛覚閾値を上昇させますが、好まない香りの場合は、逆の反応が起こる
という報告もあります。ですから、ホリスティックアロマセラピーではクライアントが
「心地がよい」と思う香りを使うことが何より優先されます。

3. 精油の薬理作用
精油の薬理成分は、吸入することにより肺胞から血中に溶け全身に運ばれます。また、塗布や
マッサージにより皮膚の毛穴から吸収されます。吸収時間は精油によって異なりますが、
20分〜120分程度で尿により排出されます。ホリスティックアロマセラピーでは、
通常ホホバオイルなどのベースオイルといわれる植物油に1〜2.5%の濃度(妊産婦、乳幼児、
高齢者は特別な注意が必要)で数種類の精油を加えたものでマッサージを行い、鼻腔からだけ
でなく全身の皮膚からも吸収されます。メディカルな使い方では、皮膚の創傷や炎症に対して、
抗菌作用、抗炎症作用、瘢痕形成作用を持つ精油を選択し、10%希釈〜原液を短期的に局所
塗布法で使用する。皮膚や粘膜への刺激が強い精油もあるため、このようなメディカルな使い方は
医療従事者が行うことが望まれます。精油はテルペン類を中心に数十から数百の成分が含有される
ため、その効果は一つに限定することはできないのも特徴です。

4. オイルマッサージによるタッチの効果
日本の指圧あんまマッサージとは異なり、痛みを感じない程度の圧力によるさまざまな手技を用いた
スウェーディッシュオイルマッサージをおこないます。ゆっくりとしたテンポによるマッサージを
行うことで馴化作用を起こし、リラクセーション効果を高めていきます。心地よいタッチは心拍数・
呼吸数・血圧などを安定させ、痛みの軽減や不安の減少をもたらすと言われていますが、その
機序については、スキンシップによる安心感が痛みを軽減するという説、発生学的に皮膚と神経系が
同じ外胚葉由来であることが影響するとう説、マッサージによる圧感覚刺激が疼痛を緩和するという
ゲートコントロール説などさまざまな可能性がいわれています。クライアントの状態が悪ければ
悪いほど、マッサージはいたわりや慰めのタッチへと変化し、圧力も軽くスピードも遅くしていきます。



〈 ホリスティックアロマセラピー〉
英国では、アロマセラピストという従来の医療従事者とは異なった専門職の資格制度が存在しており、
『ホリスティックアロマセラピー』と呼ばれる専門家による全人的ケアが医療現場で行われています。
ホリスティックアロマセラピーは、患者やクライアントの状態に合わせ、精油の薬理作用だけでなく、
香りの心理的効果、スウェーディッシュオイルマッサージによる柔らかいタッチの精神生理学的効用を
総合的に組み合わせることにより、身体(Body)・心(Mind)・魂(Spirit)の全てに働きかける全人的
(ホリスティック)なアロマセラピーを示しています。心身の深いリラクセーションとセラピストとの
信頼関係に基づくヒーリングセッションを通じて、症状の改善や健康増進、日常生活におけるQOLの
向上などを図る目的で行われています。

英国ロンドンのSt Mary's Hospitalに入院中のHIV/AIDSに罹患している子どもたちの精神的な癒しと
身体の疼痛改善を目的に、ローマンカモミールとラベンダーでアロマセラピーマッサージを行った
ところ、全ての子どもたちがモルヒネなどの鎮痛剤を減らすことができ、一部の子どもたちは完全に
痛みから解放され、脳障害からくる断続的痙攣の軽減や、鎮痛剤が無効な慢性の胸痛や末梢神経の痛み
が緩和したと報告しています。またその論文の中でさらに、「入院生活を豊かにし、死に行く子ども
たちを慰め、励まし、よりよいコミュニケーションをとることができたという意味でも、香りと
アロママッサージはとても価値があった。」と述べています。

ホリスティックアロマセラピーでは、精油の薬理作用、香りの心理的効果、アロマセラピーマッサージ
のタッチの効用の3つの要素すべてが重要な役割を担っています。さらに、これは患者ひとりひとりの
心・身体・魂を個別にアプローチするオーダーメイドな療法であり、施術者の存在自体も患者が治る
環境の一部として重要となることを認識した上で行う必要があります。


本日は、精油のいろいろな香りを楽しんでいただき、臨床でのアロマセラピストの活動を報告します。
そのあとハンドマッサージを体験していただきます。



<<講師略歴>>
相原 由花(あいはら ゆか)
三重大学教育学部卒業後、10年間企業の人事教育に携わり、
2000年アロマセラピストとなり、翌年関西医科大学にて心療内科研究員となる。「ホリスティック
アロマセラピーの効果と限界」について臨床研究を進めるとともに、2002年「ホリスティックケア
総合学院」を設立しプロフェッショナルアロマセラピストの養成を行う。2005年には心療内科
クリニック、不妊症専門クリニック、リハビリテーションセンターに医療と連携したアロマケアルーム
「Natural Flora」を3店舗開業し、統合医療の実践を行っている。また、彦根市立病院、滋賀県立
守山成人病センター、奈良国保中央病院において卒業生とともに緩和ケアのボランティアを行っている。
現在医科大学、看護専門学校、製薬会社の非常勤講師を務めるとともに2006年4月より、兵庫県立
大学看護学部に入学し、看護学、ホリスティックナーシングの学習と研究に取り組んでいる。

連絡先
大阪市中央区北久宝寺町3-4-13 NPC心斎橋ビル5階
ホリスティックケア総合学院  
06-6245-7766    http://www.ahcp.jp 



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